内分泌、栄養及び代謝疾患①
こちらでは、内分泌、栄養及び代謝疾患について学んでいこうと思います。
ICD-10のコードでいうと
- 第Ⅳ章のE00-E90
にあたります。
中分類は
- 甲状腺障害(E00-E07)
- 糖尿病(E10-E14)
- その他のグルコース調節及び膵分泌障害(E15-E16)
- その他の内分泌腺障害(E20-E35)
- 栄養失調(症)(E40-E46)
- その他の栄養欠乏症(E50-E64)
- 肥満(症)及びその他の過栄養<過剰摂食>(E65-E68)
- 代謝障害(E70-E90)
となっております。
相変わらず覚え方はよくわかりません。
言葉の定義
病名を学んでいく前に、少しだけ言葉の意味を理解しておきます。
内分泌(endocrine)
内分泌とは細胞から直接、血液中に分泌することをいいます。
これに対して、消化液、汗、涙などは外分泌といいます。
甲状腺障害(E00-E07)
では、早速病名について見ていきます。
まずは、甲状腺の障害関連についてです。
甲状腺機能低下症 -Hypothyroidism(E00-E03)
甲状腺ホルモンの分泌低下によって、全身の代謝低下をきたした状態のことをいいます。
特徴としては
- 女性に多い。
- 成人では、慢性甲状腺炎が原因となることが多い。
- 先天性のものをクレチン症という。
があります。
また、原因が原発性と中枢性に分かれ、原発性の慢性甲状腺炎を橋本病といいます。
橋本病はよく聞きますね。
原発性と中枢性の違いですが
- 原発性 ▶︎ 甲状腺自体が働かない。TSH(甲状腺刺激ホルモン)が上昇する。
- 中枢性 ▶︎ 下垂体、視床下部から、甲状腺に命令うまく伝達できない
といったことが原因になるようです。
治療は甲状腺ホルモンの補充が主な治療になります。
結節性甲状腺腫 -Nodular goiter(E04)
甲状腺の一部が結節性に腫大したものをいいます。
診察時に触知でわかるようです。
80%が良性で20%が悪性になります。
甲状腺癌のほとんどは、乳頭癌に分類されます。
治療は、良性の場合は経過観察、悪性の場合はT4製剤を投与したりするようです。
甲状腺中毒症[甲状腺機能亢進症] -Thurotoxicosis(E05)
血中の甲状腺ホルモンが正常より高くなっている状態をいいます。
ほとんどがバセドウ病で、そのほかに亜急性甲状腺炎や無痛性甲状腺炎などがあります。
バセドウ病 -Basedow’s disease(E05.0)
甲状腺濾胞細胞の膜状にあるTSHレセプターに対する自己抗体が自己の甲状腺お刺激して、甲状腺腫大と甲状腺ホルモンの過剰産生をおこします。
こちらも女性の方が男性の3倍以上になります。
基本的に、甲状腺疾患は関しては男性より女性の方が多いんですね。
また、大きな特徴として
- 甲状腺腫
- 眼球突出
- 頻脈
が挙げられ、これをメルゼブルグの三徴といいます。
また、甲状腺機能検査でTSHが低下しているか、抗TSHレセプター抗体が陽性になっているか。
などの確認を行います。
治療としては
- 薬剤投与
- 外科手術(寛解率は80%程度)
- 放射性ヨード療法
などを行うようです。
甲状腺炎 Thyroiditis(E06)
続いて甲状腺炎です。
亜急性甲状腺炎 -Subacute thyroiditis(E06.1)
甲状腺に何らかの原因で感染が生じ炎症がおきたものをいいます。
甲状腺機能亢進症状を示す原因疾患で、バセドウ病についで多いです。
40歳〜50歳の女性に多いようです。
炎症があるため、痛みを伴うことが多いです。
無痛性甲状腺炎 -Painless thyroiditis(E06.3)
慢性甲状腺炎に何らかの原因が加わって、一過性に破壊性変化がおこり、甲状腺中毒症状を呈する疾患。
自然軽快することが多い。
自己免疫性甲状腺炎 -Autoimmune thyroiditis[橋本病](E06.3)
甲状腺機能低下症の原因として最も多いです。
女性に多く、男性の20倍以上となります。
稀に機能亢進症状を呈するものがあり、ハシトキシコーシスと呼ばれるみたいです。
甲状腺関連の疾患に関しては、これくらいにしておきます。
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