オーダリングシステムって何?
今回はオーダリングシステムについてのお話をするよ。
わかりました。オーダリングシステムと言えば、紙カルテの病院でも医事会計システムに次いで導入されていることが多いみたいですし、医療情報システムとしても中心的なシステムになりますもんね。
どんな役割をしている?
まずオーダリングシステムはこちらにも記載しているように主に医師が使用しているんだ。医師事務作業補助者がいる病院では、それに従事している人も使用しているよ。役割的には紙カルテで言う、伝票のようなものかな。…といってもわかりにくいと思うから、どこの部分がオーダリングシステムの役割にあたるか、もうすぐインフルエンザを例に考えてみるよ。
インフルエンザは誰にでも馴染みがあるからイメージが湧きやすいですね。
インフルエンザ疑いでの受診で考えてみる
まず、患者さんが「悪寒、発熱、関節痛」などの症状で医療機関を受診したとしよう。
- 患者さんが来院。
- 受付・問診票の入力。
- 診察室で診察(扁桃腺の腫れや聴診器での呼吸音の確認等)。
- 診察室内でインフルエンザの検査(迅速検査キットを使用)
- 炎症反応等を見るため、医師が採血を依頼
- 高齢者のため、肺炎をおこしていないか一般撮影検査を放射線技師に依頼
- 5と6を検査技師と放射線技師が施行。
- 検査結果を医師が確認し、患者へ説明。
- 簡易キットでインフルエンザ陽性だったため、処方(内服薬)のオーダー
- 肺炎の所見はなかった為、自宅療養として帰宅を指示。
- お会計
- 帰宅
流れ的にはこんな感じの動きになるかな?この中で
実際にオーダリングシステムが使われている部分が太字の部分になるよ。
4. 診察室内でインフルエンザの検査(迅速検査キットを使用) → 診察室検査でのコスト(実施)の入力
5. 炎症反応等を見るため、医師が採血を依頼 → 採血検査のオーダー
6. 高齢者のため、肺炎をおこしていないか一般撮影検査を放射線技師に依頼 → 一般撮影検査のオーダー
8. 検査結果を医師が確認し、患者へ説明。 → 検査結果の確認
9. 簡易キットでインフルエンザ陽性だったため、処方(内服薬)のオーダー → 内服薬をオーダー
こうやって流れにしてみると、確かに指示伝票に近いですね。
うん。ちなみに
1,2,11は医事会計システム
7は部門システム(検体検査システムやRIS)
が担っているよ。
なるほど~。こうやってオーダリングシステムと様々なシステムが繋がって医療情報システムとして機能しているんですね。
導入するメリットは?
続いてオーダリングシステムを導入するメリットについてだけど。
- 一連の流れにおける迅速化が可能。(検査伝票や検査結果を運ぶ必要がなくなる)
- よく出るオーダーをセット化できるので、ボタン1つで検査依頼が可能。
- 「字が読めないので指示内容がわからない」といったことがなくなる。
- 患者情報(患者状態)や進捗・検査結果などを画面上で共有できる。
- 継続処方も前回Doのボタン1つで処方箋の発行が可能。
- マスタ作成の段階で点数や金額の情報も入力するため、「この検査にどれくらいの費用がかかりますか?」と患者さんに質問された場合などに簡単にオーダリングシステムの画面を見て、金額の返答が可能。
- 医事会計システムと連動している場合、会計の入力が短縮され算定の間違いも軽減される。
といったことがあるよ。他にもいっぱいあると思う。こんな感じでオーダリングシステムを導入するメリットはたくさんあるけど、それだけにシステムを導入する場合はじっくり時間をかけて検討し、いいシステムを構築していけるようにすることが大事になってくるね。
まとめ
- オーダリングシステムの役割は、指示伝票のイメージ。
- 検査・処置・投薬・注射などのオーダーが可能。
- 検査の結果を参照可能。
- 導入する場合は、しっかり検討していいシステムを構築することが大事。
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