今回は地域医療連携システムについてお話したいと思います。
地域医療連携システムを導入している病院はオーダリングシステムや医事システムと比べるとまだまだ少なく、医療情報システムの中ではかなり新しいシステムとなります。
また、システムを構築している電子カルテベンダーや地域(都道府県)によってやり方や構築方法が違いますので、今回は
- どういったものなのか?
- 仕組みはどうなっているか?
をざっくりとお話できたらと思います。と、その前に、地域医療連携システムを理解しやすくするために、昨今の医療事情ついて簡単にお話したいと思います。
昨今の医療事情について
日本の医療はここ数十年で、疾病構造の変化、医療の高度化、専門化及び機能分化がどんどん進んでいます。
そのため、今までは1施設で完結していた診療行為が、複数施設をまたがないと完結できなくなりました。
そうした中で、日本全体がどんどん高齢化していき、国民の総医療費は増大していっています。
そういったことに対応するためには
- 医療施設間の連携の強化
- 医療資源を有効活用(医療費を抑制)
- 地域格差の解消
などが大事になってきます。
これらのことを行うために、地域医療連携システムというものが開発されるようになりました。
これを踏まえた上で、地域医療連携システムの概要をお話したいと思います。
地域医療連携システムってどんなもの?
今回は、地域医療連携システムについて学んでいこう。
よろしくお願いします。
地域医療連携システムは、簡単に言うとインターネットを介して医療関連施設間で患者さんの診療データをやり取りし、相互で閲覧できるシステムのことだよ。
患者さんの診療データってことは、処方された薬や検査結果とかのことですか?
そうそう。例えば、入院中の患者さんが別の病院に行くってなると、紹介状・サマリ・医療用画像などを印刷したりDVDに焼いたりして、転院先の病院に送付するよね。地域医療連携システムが構築されていると、そういったことをしなくてもWeb上でそれらのデータを公開・閲覧することが可能になるんだ。
なるほど。それはめちゃくちゃ便利ですね。でも、病院ごとに導入している電子カルテメーカーからカルテの入力方法までバラバラなのにそんなことって簡単にできるんですか?
そうだね。A病院では、○○ベンダーの電子カルテを使用していて、B病院では□□ベンダーの電子カルテを使用している。そうするとデータベースの構造も当然違ってくるからそのままの状態だと連携はできないんだ。
じゃあどうやって連携しているんですか?
仕組みについて
以前に勉強したPACSみたいな感じですか?
ん〜と、少し違うんだけど、共通の規格を利用するというイメージとしては合ってるよ。PACSの話が出てきたから、地域医療連携システムで使用されるHL7というものもお話ししておくよ。PACSが医療用画像情報の標準規格だとすると、HL7は医療に関する文字情報の標準規格になるんだ。
え?え?どういうことですか?地域医療連携システムはSS-MIX2という規約で保存するんじゃないんですか?HL7でも保存するんですか?
説明がわかりにくくて少し混乱しちゃうよね(笑)ごめんごめん。SS-MIX2は保存に関する規約のことで、HL7はその保存を行うための、電文形式(電文データ)のことだよ。
よくわからなくなりました。
じゃあ、わかりやすいかどうかわからないけど、服をタンスにしまう作業に例えてみるね。まず、服を畳むには色んな折り方があるよね。そういった折り方が、HL7。1番上の棚に入れてね。といった場所(ルール)を決めたのがSS-MIX2って感じかな。ちなみに実際の保存場所(タンス)のことを標準化ストレージと言うよ。つまり「TシャツはHL7という折り方で、タンスという標準化ストレージの一番上の棚に閉まってくださいね。= SS-MIX2で決められたルール」って感じかな。
下手っぴな例えだけど、なんとなく理解できました♪
バカにしてるでしょ僕のこと(笑)
そんなことないですよ♪♪
…まぁいいとして、この辺の仕組みや用語についてもっと詳しく話そうとすると、かなり膨大なことになってしまうからこの辺にしとくね。そのうち医療情報システムでよく使用される用語を中の人がまとめたいと思っているらしいからそこで確認しよう。
はーい。
今回わかってほしかったのは、こういった仕組みを利用して、病院間や診療所、薬局などとデータを相互でやり取りできるようにしたシステムを地域医療連携システムっていうってことかな。
ありがとうございました。
まとめ
今回は、地域医療連携システムについてお話ししてみました。
こういったシステムは都道府県で200以上あると言われていますが、実際に上手く稼働できているのは6~7割と言われているようです。
理由としては
- セキュリティの担保が大変。
- 開発や運用費のコストをどこが持つのか。
- 患者さんの同意をどのように取るか。
- 患者IDの統合(名寄せ)の条件をどうするか。
- 施設ごとの情報をどこまで公開するか。
- 近隣の医療施設の協力が必要不可欠だが、どう上手く取りまとめるか。
などなどがあり、まだまだ考えるべき課題があるようです。
ですが、国も導入に対して助成金を出すなど積極的に支援を行なっていますので、今後ますます発展してくると思われます。
そのため、概要だけでも抑えておくといいかと思います。
公開できるデータの詳細やセキュリティなどについてもお話ししたかったのですが、長くなってしまったので今回はこの辺にしておきます。また別の機会で書けたらなと思っています。
ほんとに書くのかよ。
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