調剤支援システムってなに?
今回は調剤に関わるシステムについてのお話だよ。
それで大丈夫だよ。もし、オーダリングシステムが入っている医療機関であれば、調剤支援システムと連動していることが多いよ。なので、そちらを理解しているとわかりやすいと思うから、興味があったらリンク先から確認してみてね。
わかりました。調剤支援システムって具体的にはどんなことができるんですか?
調剤支援システムってどんなことができるの?
調剤支援システムは導入する範囲にもよるけどこんな感じのことができるよ。
- 薬剤監査
- 医薬品情報(添付文書等)の検索・閲覧
- 薬剤情報の発行
- 薬袋の発行
- お薬手帳や注射ラベル等の発行
- 自動分包(錠剤、散薬)
- 散薬監査
- その他(服薬指導や病棟薬剤業務の管理などが行えるシステム)
いろんな機能があってとても便利だから、例を出して説明するね。
お願いします。
調剤支援システムの流れ
はい。
薬剤監査について
まず、医師が
- バイアスピリン錠 ○mg 1日1回 朝食後
- エフィエント錠 ○mg 1日1回 朝食後
- カルベジロール錠 ○mg 1日2回 朝・夕食
といった感じの処方を出したとするよ。
するとオーダー内容が薬剤監査画面というところに飛んでくるよ。
薬剤監査画面では、何を行うんですか?
この画面では、医師のオーダー内容が適切か薬剤師がチェックを行うんだ。例えば
-
- 用法・用量がその薬に対して正しいものか(適正範囲内か)
- 以前に同様の薬を摂取した際に副作用が出ていないか(患者禁忌)
- 他の薬との飲み合わせは問題ないか(相互作用禁忌)など
があるよ。また1週間後などに手術を控えている患者さんであれば
- 血液をサラサラにする薬(抗血液凝固薬)を服用するオーダーが出ていないか
などもチェックが必要だね。
医師が処方をオーダーしたタイミングで禁忌情報などのチェックがかかったりしないんですか?
もちろん医師がオーダーしたタイミングでもアラートがかかるようにできるよ。そっちはオーダリングの設定になるけどね。ただ、全ての患者禁忌や相互作用禁忌が設定されているとも限らないし、患者さん個人の病態によっても薬の処方内容は大きく変わってくると思うから薬剤師が監査画面で確認することはとても大事なことなんだ。
医薬品情報の検索・閲覧
監査を行うタイミングで処方されたお薬の詳細な医薬品情報(薬効や副作用など)を調べたい場合は医薬品情報の検索(DI情報)を行うことがあるよ。昔は「今○の治○薬」とかの本で検索していることが多かったけど、今はシステム化されてることも多く、その場合は処方監査画面から直接オーダーされた処方の医薬品情報を閲覧できるよ。
検索結果がすぐにでるなんて、すごく便利な機能があるんですね。
そうだね。それに加え、その薬に対する検索だけじゃなくて、同一成分の薬の検索や、院内での採用薬・非採用薬といったことまで検索が可能だよ。
素晴らしいですね。
薬剤情報・薬袋・ラベル等の発行
次の作業として、上記のことを行い問題なければ薬の調剤 → 必要に応じて薬剤情報、薬、袋、ラベル等の発行作業に移るって感じかな。
薬袋:はそのままで、お薬を入れる袋です。入院中の患者の場合、看護師さんがお薬を預かって必要な時に毎回お渡しする病棟管理の場合と患者自身で管理してもらう患者管理があり、患者管理の場合に薬袋ごとお渡しします。
ラベル:は点滴薬などに張るシールになります。
全自動分包機と散薬監査システム
最後に、全自動分包機と散薬監査システムなどについてだけど全自動分包機は名前の通り、自動でお薬を詰め込んでくれる機械になるよ。錠剤用と粉薬用があって錠剤用の場合、薬を一包化する際に使用したりするよ。(市販薬などのお薬はいわゆるPTP包装(この記事のサムネイルに出ているような薬を指で押し出すタイプ)で販売されているため)
一包化とは、複数のお薬を1回に飲む量(用法)ごとにまとめ直すことで今回の例だと
朝食後分 → 「バイアスピリン錠、エフィエント錠、カルベジロール錠」
夕食後分 → 「カルベジロール錠」
といった感じで分けられるよ。散薬監査システムは粉のタイプのお薬がちゃんとした量(適量)になっているかを測ったりする機械だね。こういった流れを経て、最終的に患者さんの元に薬が運ばれるよ。
服薬指導や病棟薬剤業務の管理などが行えるシステム
その他のシステムとして、患者さんにお薬の飲み方やどういった効果があるかなどを指導する際に対象患者のリストアップをしたり加算内容を医事・会計システムに飛ばす服薬指導のシステムや薬剤師が勤務時間のうちどれくらい病棟で働いているかなどを記録する病棟薬剤業務の管理が行えるシステムがあります。
まとめ
今回は調剤支援システム全般と流れについてお話してみました。
コメント